前稿では、物流改革における既存輸送事業者との調整/交渉についてお伝えしました。本稿では、新輸送コースの立上げと定着についてご紹介します。
定着化までの流れは3段階
安定稼働を実現するために、これまで様々な取組を紹介してきましたが、どれだけ万全な準備をしても何かが起こるのが物流の立上げだと思います。新聞物流において、新輸送コースの定着までの流れ、押さえるべきポイントについて説明していきます。
定着化までの流れはおおむね下記の流れになるかと思います
1. 店着時間の遅延先の把握および要因把握
2. 販売店との調整/交渉
3. 輸送コースの見直し(必要に応じて)
まずは、店着時間が遅れた販売店とその要因を把握します。
立上げから2~3日は店着が安定しないことがあります。不慣れによる遅れや、イレギュラーな対応が発生しやすいためです。そのため、遅れの要因を把握し、店着の設定の見直しやコースの見直しが必要な販売店を洗い出します。
次に、販売店との調整/交渉になります。定着することで遅れが改善されるものについては、当面様子を見ていただく等、可能な限り販売店と調整します。遅れのレベルによっては、すぐに見直しを求められる販売店もあると想定されますので、許容を超えているものについてはコースの見直しを検討します。
コースの見直しについては、まずは、出発時間やコース、輸送順の変更で改善できないかを検討します。
上記のみでは改善できない場合は、コースの増設を含めた見直しが必要になります。コース増設はコスト増になるため、最後の手段として活用します。
このような取組を行い、新輸送コースを定着化させます。おおよそ立上げ後2週間を期限として進めることが望ましいと思います。
本稿では、新輸送コースの立上げと定着について説明しました。
これまでDX時代における新聞物流の再検討について8回にわたり連載してきましたが、本稿で終了となります。物流の再検討を行う際は、目的やその優先順位によって方法や進め方が異なりますが、一つの事例として参考にしていただければ幸いです。
(文責:南部 大志)
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