物流業界は女性労働力活用待ったなし

ドライバー不足は深刻

建設業・小売業そして我々が従事している物流業等、多くの業界で「人手不足」が大きな問題になっています。実際、我々物流業ではドライバー不足は深刻で募集をしても問い合わせすらないといった事さえ間々あるような状況です。

総務省発表の2014年8月統計データ(下表)からみても対前年同月比較で

◎運輸業・卸売業・小売業の就業者数は減少
◎建設業・医療・福祉関連が就業者数増加
◎正規従業員減少、非正規の就業者数増加
◎1~29人の企業規模の就業者数減少
◎30人以上の企業規模の就業者数増加

という傾向が見てとれます。

この中で正規従業員数が減少して、非正規従業員が増加しているといった傾向は、人手不足と言われながら就職難とも言われている昨今の状況を反映しているように思います。


(出所)総務省統計局月次レポート

育児が落ち着いた女性の力を活かせる環境づくりを

このような人手不足時代、我々物流業においても各社諸々の対策を取り出しています。労働環境の見直し、外国人の積極採用、作業軽減ロボット導入等、今や多方面での検討・導入を行ってきています。このような中、女性労働力の活用も重要になってきます。女性の労働力は一般に労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口の割合)が,結婚・出産期に当たる年代に一旦低下して、その後育児が落ち着いた時期に再び上昇するというような、いわゆるM字カーブを描くということで知られています。

総務省統計局調べで、非正規社員に現職の雇用形態についた主な理由を男女別にみたところ男性は「正規の従業員の仕事がないから(30.6%)」の割合が最も高く、女性は「家計の補助・学費を得たいから(26.8%)」と「自分の都合の良い時間に働きたから(25.4%)」の割合が高いという傾向があるとのことでした。育児が落ち着いた時期に再び女性の労働力率が上昇しているなかでのひとつの傾向としてみられるのではないでしょうか。


(出所)総務省統計局 労働力調査平成25年平均(速報)結果の要約

女性の能力を発揮できる施策の実施を求め、2020年までに管理職などの指導的地位に占める女性の割合を3割にすることを目指すといった動きもありますが、一方で上記のような働き方を求める動きも勘案し、短時間労働の組み合わせによる環境づくり・就業体制づくり等の対応が今後益々企業に求められていくのではないでしょうか。

(文責:杉本)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第266号 2014年10月22日)

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