コンペの発注や見積もり依頼のコツとは
皆さんは物流コンペの発注や見積りを依頼した際に、期待した結果は得られているでしょうか? 目的達成はできたが、非常に多くの工数を投入して何とか終えることができたことや、目的が達成できず、追加対応が必要になったこともあるのではないでしょうか。このようなことが起こると、計画自体に影響を及ぼす恐れがあり、担当者としてはなるべく避けたいリスクだと思います。
私は、入社3年目を迎え、コンペ等の基礎データを扱う業務を担当しています。今回はこの業務から、「上記のようなリスクの低減に繋がるのでは?」と感じたことについて書きたいと思います。
まず、コンペや見積り依頼時の検討ステップを整理します。
標準的な流れでは、(1)「データ提供」を受け、(2)「確認(全体/詳細)」,(3)「検討用物量作成」で前提物量を設定しますが、これは精度とスピードが求められる非常に重要な作業です。この過程を経て(4)「検討/見積」を行って提案をまとめ、(5)「ご提案」に至ります。
お客様の立場に立った提案をするためには、(4)「検討/見積」で適正な検討期間を確保したいのが正直なところです。そのためには、(2)「確認(全体/詳細)」~(3)「検討用物量作成」を可能な限り短くし、かつ正確に行うことが要求されます。
しかし、実際は(2)「確認(全体/詳細)」,(3)「検討用物量作成」に想定以上の時間がかかり、(4)「検討/見積」の期間が短くなってしまうことがよくあります。
こんな時に遠回りが発生
実績と経験を活かしてデータ分析と提案構築を行い、限られた期間の中でベストな結果を導けるよう日々取り組んでいますが、(2)「確認(全体/詳細)」,(3)「検討用物量作成」では少なからず遠回りが避けられない場合があります。
例えば、要件書とデータの数字が合わないことや、提供データから必要項目が抜けていて前提物量作成に手間取ることがあります。また、作業や配送データでは、1日や1週間単位でまとまったデータしかなく、具体的な物量の傾向(特性)を読み取れない場合もあります。これらで多くの時間を費やすと、(4)「検討/見積」は短期間で集中的に行うことになります。これは、工夫をこらした提案に十分時間がとれないことに繋がりかねません。
物流データの側面から見て、このようなリスクを低減する為には、データ作成時に以下の2点を中心に確認することがポイントだと思います。
(1)提案依頼範囲とマッチしているデータか。データに過不足がないか。
(2)自社の物量傾向を読み取れる単位のデータを作成できたか。
データ作成のポイントは他にもたくさんあると思いますが、基本的なことを再度確認することで、必要以上の工数投入や追加対応の発生というリスクは低減される可能性があります。皆さんも物流コンペの発注や見積り依頼でデータを作成する際には、チェックしてみてはいかがでしょうか?
(文責:渡辺 隆太郎)
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第323号 2016年4月20日)