2026年2月14日、兵庫県加西市において、平田運輸株式会社が整備を進めてきた新たな物流拠点「KASAI SUSTAINABLE BASE」の完成披露会に、平田運輸社長の平田様より招待を受けまして参加してきました。物流業界においては脱酸素や人と環境に配慮した拠点への取り組みが進んできますが、本施設は「地方から、物流の現場から、サステナビリティを実装する」という平田社長の強い理念のもと整備された地域協創型物流拠点です。物流機能と環境価値、さらには地域との共生を同時に実現する新しいモデルがどのようなものなのか、今回はその施設の概要をご紹介します。
物流機能と環境配慮を両立した施設設計
敷地面積は約8,120平米、施設は営業用倉庫棟、事務所棟、休憩棟、車両看板作業棟、植栽エリアなどで構成されています。倉庫棟はトラス構造を採用し、梁下約9mの柱のない開放的な空間を実現しており、物流業務の効率性と柔軟性を両立した設計となっています。また、太陽光エネルギーなどの再生可能エネルギーの活用を前提とした、「ゼロカーボン倉庫」を目指した運用が予定されている点も特徴的です。


働く人にもやさしい物流施設
働く環境への配慮も本施設の大きな特徴です。事務所棟にはシャワールームやロッカールームが整備され、休憩室では整体師による定期的なケアの導入も予定されています。さらに休憩棟はミーティングやワークショップの場として利用できるほか、災害時には地域の一時避難場所としても機能するなど、地域社会に開かれた施設としての役割も担っています。

万博から受け継がれた植物とビオトープ
施設内で特に印象的だったのは、自然との共生を体現した植栽エリアです。ここには、2025年大阪・関西万博でサステナブル賞を受賞したルクセンブルクパビリオンの植栽が譲り受けられ、ビオトープ(生物の生息地)として整備されています。万博で使用された雨水ろ過用の石も再利用され、雨水循環の仕組みと合わせて、自然環境の循環を体感できる空間が構築されています。

地域と未来をつなぐ物流拠点
さらに、地域に存在する網引湿原の在来植物も植えられる予定で、遊歩道やビオトープを通じて子どもたちがSDGsを体験できるフィールドとして活用される計画です。竣工に際しては祝花を辞退し、植栽整備のためのクラウドファンディングを実施したところ、目標の200%を超える支援が集まるなど、多くの共感が寄せられたことも象徴的でした。
脱炭素社会への対応、物流危機への対処、そして地域との協働――。これらの課題に対して、物流企業がどのように応えていくのか。その一つの答えが、この「KASAI SUSTAINABLE BASE」に凝縮されているように感じました。物流拠点は単なるモノの保管・輸送の場ではなく、地域や環境、そして未来の社会とつながるプラットフォームへと進化しつつあります。加西の地から始まるこの挑戦は、持続可能な社会を支える新しい物流モデルとして、今後大きな広がりを見せていくことでしょう。
(文責:釜屋 大和)
【施設概要】
施設名称:KASAI SUSTAINABLE BASE(カサイ サステナブル ベース)
住所:兵庫県加西市殿原町469-4
敷地面積:約8120平米
アクセス:中国自動車道「加西IC」から車で約5分
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