3PL事業者の選定2

今日からはじめるサード・パーティー・ロジスティクス(Third Party Logistics) (その16)

3PL事業者を選択するときに、競争提案方式(通称コンペ方式)が良く行われます。競争提案といいながら、ただの競争見積をさしている場合もありますが、3PLに競争見積はそぐわないものです。コンペ方式をスムーズに進めるためには、そのサポートをしてくれる経験のあるコンサルタントなどを起用することもひとつの手段です。
コンペ方式を進めるにあたって、まず全体のスケジュールを立てて、どのような進め方をするのか決める必要があります。幅広く提案をしてもらうのか、ある程度絞って短時間で決定まで進める必要があるのかなどです。
コンペ方式では、RFP(Request for Proposal)を作る必要があります。この内容の良し悪しが提案内容と密接に関連しますので、注意深く作ることが必要です。
前提とする物量やサービス内容、今後の戦略や計画を明示していく必要があります。業務内容はできるだけ細かく表記し、サービスの範囲を明確にすることです。また、改善案なども検討した上で作ることが必要でしょう。
たとえば物流面からは、今まで自社便の積合せで配送していたユーザーの一部に対して今後は積合せサービスを利用するといったユーザーに対するサービス内容を変更することがあります。この場合、営業面から対象となるユーザーに対して問題が起こらないように検討し、対応も進めた上で最終的なサービス内容を決める必要があります。
提案を評価する評価方法についても事前に決定し、提案の際に説明したほうがより自社にあった提案が期待できます。提案を依頼する企業は、すでに現在一部でも物流業務を委託している会社をはじめとして数社選ぶことになります。幅広く提案を受けたいときは、まず会社の紹介だけを受けるとよいでしょう。そしてその中から数社に絞って提案を依頼します。
3PLによい提案をもらうためには、よいデータや前提条件を提示することが必要です。また、現場見学やQ&Aといったやり取りを通して、実際に現状をある程度理解したうえで提案をしてもらうほうがよいでしょう。
内容のよくわからない案件に提案することほどリスクの高いことはありません。つまり、リスク分を加味した提案しか出てこないということです。
提案においては、提示した条件での提案は当然のこととしてさらに一歩進んで前提条件を変更した場合の提案してくるところは有望な3PL会社です。3PLと物流会社との違いがそこにあります。

委託先の企業は、前提条件を変更した場合の提案をして来ますか?

(文責:中谷)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン・ばんばん通信特別号 第16号 2009年8月3日 担当:中谷 祐治)

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