エアバッグのリコール問題
自動車には様々な安全装備が付いています。最近では、テレビCMでおなじみの自動ブレーキが普及しはじめていますが、その安全装備のひとつにエアバッグがあります。
米国で話題になり、日本を含め全世界へ広がっている自動車のエアバッグ、死亡例もあることから大問題となっています。年が明けてもなかなか解明されない状況が続いています。
自動車を所有している方は、「自分の車は大丈夫か?」と心配されているのではないでしょうか。斯く言う私も、最近車検を受けにディーラーへ行った際に確認はしたのですが、ディーラーの方からは「問題となっているメーカーのエアバッグは大多数の車に搭載していますが、現段階ではそれ以上のことは分からない」と、なにかスッキリしない回答が返ってきました。
自動車メーカー側が調査中で具体的な話はディーラーにまだ下りてきていないとのことでした。
日米でリコールの流れに違いはありますが、リコール制度とは、同一の型式で一定範囲の自動車等又はタイヤ、チャイルドシートについて、道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うこと」、改善対策とは「リコール届出と異なり、道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上看過できない状態であって、かつ、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、必要な改善措置を行うこと」と国土交通省のホームページに記載されております。
また、「リコール・改善対策の際には、安全確保の観点などから修理を必ず受けるようにしましょう。なお、道路運送車両法では、自動車ユーザーにもご自分の自動車が保安基準に適合するよう点検・整備する義務があります。この点からも、修理を受ける必要があります。」とも記載されております。
日米のリコール制度の違い
米国の調査リコールとは、「不具合の原因が判明していなくても、メーカーが車を自主回収し、無償で修理する措置」となっています。日本では、この調査リコール制度自体ありませんが、今回の件で、自動車メーカー各社が調査リコールを実施するという動きになっています。
日本の自動車リコール制度は、昭和44年(1969年)に自動車型式指定規則(国土交通省令)の一部を改正し、スタートしました。リコール制度がスタートしてから40年以上経過していますが、最近10年くらいの実績を見ますと上下動はありますが、スタート当初より件数・台数とも増加しております。
制度化したことにより、メーカーはもちろんのことユーザーも不具合等に敏感になり、また安全に対する関心度が増したことが影響しているのではないでしょうか。
更に、様々な技術の発達により、構造等が高度化し複雑になっており、開発段階では発見できない(予想できない)ことが影響しているのではないでしょうか。
我が国の物流の大半はトラック輸送で、ドライバー不足が叫ばれている昨今ですが、依然数多くのドライバーが乗務しております。そのトラックにもエアバッグはほとんど装備されています。事故を起こさない、安全第一で運転するのはプロドライバーの使命でありますが、万が一事故に遭った際、ドライバーの身を守るはずのエアバッグが逆に凶器と化してしまうことは絶対にあってはならないことだと思います。
安全運転を心掛け、日々の点検・整備を自主的に行うことはもちろんのこと、メーカー側の迅速な対応が望まれ、ドライバーを含めた搭乗者が安全で安心して乗車できるように早くなってほしいものです。
(文責:細川)
【出所】
国土交通省
『自動車のリコール・不具合情報』『日本の自動車リコール制度』
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第274号 2015年1月14日)