納品の定時性は日本の誇るべき美点。でも海外ビジネスでは定時性は無くて当たり前。

日本の納品トラックの定時性は並外れている

新幹線を仕事や旅行で利用されたことがあると思われますが、速いことはもちろんのこと、時間に正確です。日本の鉄道は他の国と比較して定時性が極めて高いと言われています。毎日通勤で利用されている電車も分刻みで運行され、時間に正確ですし、1~2分の遅れでも、車内放送や駅で遅れた旨のアナウンスをするほどの徹底ぶりです。日本人はこれが当たり前だと思っていますが、外国人からすればちょっと行き過ぎていると感じているのではないでしょうか。

さて、日本の物流業界を見てみますと、依然トラックでの輸配送が大半を占めています。トラックでの輸配送は渋滞等により時間が読めないことが多々あります。しかし、宅配便の時間指定(幅はありますが)に代表されるような、定時性の提供が一般的となっています。受け手側にとって、時間通りに納品されることで、無駄な時間を過ごさなくてよく、荷受の人員確保が容易でかつ人件費を抑えることができます。特に大規模物流センターともなると、1日100台以上のトラックの出入りがあるため、より正確な時間設定をしないと双方の待ち時間が多く発生してしまい、ロスが発生します。効率、サービス、ニーズを追求した結果、このような状況になっています。

一方、中国では非常にルーズですが・・・

一方、中国での物流センターの稼働開始支援で現地に行った際に感じたことがあります。納品してくるベンダー様へは荷主様を通して、前日までに納品の連絡をすること、納品時間は午前中とすることをアナウンスしているにも関わらず、納品の連絡もなく、連絡があっても午前中には来ないで、倉庫の終業時間ぎりぎりに持ってくる等、日本との違いを感じました。

当初は戸惑いを感じ、怒りが込み上げてきましたが、これが中国標準(あるいは世界標準)と割り切り、逆に日本が正確過ぎているではないかと錯覚してしまったほどです。

貨物が届けば時間は関係ないと思っているのか、日本人はなぜそんなことを気にするのか等、どのように思っているかは分かりませんが、一緒に働いていた中国人の従業員は至って平然としておりました。

冒頭の鉄道の話に戻りますが、聞くところによると、中国では遅れるのが当たり前、しかも時間より早く出発してしまうこともあるそうです。諸外国でも同じようなことがあると聞いたことがあります。

日本が特殊なのか、それとも諸外国のインフラやシステムの整備が遅れているのか…

いずれにせよ日本のこうしたサービスは素晴らしいものであり、誇れるものでもあります。

改めて言うことではありませんが、日本で当たり前のことが海外では当たり前ではない場合があります。その国の国民性や慣習などをよく理解した上でビジネス展開をしていく必要があります。

最後に、今回の仕事を通じて私が感じた日本人と中国人の違い(すべての人に当てはまるものではありませんが。)を一言で言い表すと、下記のようになります。

日本人:繊細、せっかち
中国人:大雑把、気長

(文責:細川)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第195号 2012年10月31日)