ショッピングモール館内物流について(後編)

前回からの続きの内容になります。

前回(前編)のバックナンバーはこちら

ショッピングモール館内物流改善の課題

ただ、メリットばかりではなく課題も多くあります。例えばこの館内物流費を誰が負担するかということです。現状は商品供給側のテナント企業が、モール内売場着荷という事で納品費用(例えば特積出荷費用)を特積(特別積合せ貨物運送事業者に支払っています。

しかし、館内物流事業者を新たに選出し“館内物流費用を収受します”ということになったら特積事業者はどう思うでしょうか。おそらく1個口80円程の館内物流費用を捻出できないとクレームを言ってくるに違いありません。

テナント企業であっても現状費用にプラス80(円/個口)の費用など追加で支払いたくないはずです。それではモール運営企業が負担するかというと、多分、負担しないと思います。

これは館内物流を利用する事によって誰がメリットを享受するのかという明確なお互いの共通認識がとれていないからだと考えます。既存のモールで既に売場直接納品を行っている場合など必ずと言っていいほどこのコスト負担の問題に直面する事になります。なんとも悩ましい問題です。

既存のモールで館内物流を始めた場合、誰が館内物流費用を負担するのか!?

  • 1.モール運営者:モール内セキュリティーの確保、納品場所滞留の削減など(館内環境、及び荷受け口環境の整備と管理が可能となるので支払うべき?)。
  • 2.テナント業者:商品供給は店舗まで(例えば、センター利用フィーの位置づけて支払うべき?)。
  • 3.特積事業者、又は納品会社:館内縦持ち・回収黄用の削減など。

⇒皆さんなら既存のモールの館内物流費用は誰が負担すべきだと思いますか?

明確な解決方法はそのモールの契約条項や条件などによって違いがあり一律に述べる事は出来ませんが、ショッピングモールを稼働させることが決まったタイミングで、先に館内物流導入の有無をモール運営企業が大枠の方針を打ち出し、あとで問題にならないように事前に各企業と調整する事が必要です。

どちらかと言えば後回しになる物流調整事項、事前に決定していれば問題とならない事項も沢山あるのでモール運営企業の方は館内物流を導入時には事前調整を忘れないでほしいと思います。

(文責:戸井田)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第138号 2011年8月10日)

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