高齢化社会と物流(手を組み始めた物流と介護)

2014年における日本人の平均寿命は、男性が80.50歳、女性は86.83歳といずれも過去最高を更新しました。
その一方で、日本の総人口は少子化の影響などから長期の減少過程に入っており、2048年に総人口が1億人を割り込み、その後も減少が続くと見られています。そのため、わが国は、世界的に例を見ない速さで高齢化が進んでいます。

近年、少子高齢化にともなう福祉問題や医療問題に関して、様々な分野で対策が検討されています。
ロジスティクスの分野においては、過疎化が進みつつある地域において、車を運転しない方の増加に伴う日用品の宅配などの生活支援サービス等のニーズは高まっており、物流と介護が融合した新たなサービスの展開が広まり始めています。

・滋賀県の「コープしが」では、
各世帯に直接訪問する生協の個配事業の特性を生かし、宅配時に安否確認を実施しています。具体的には、高齢者等へ配達をした際に、離れた場所に住む家族(高齢者の代わりにネットで注文)へと安否をメールで連絡する仕組みを作っています。

・SGローソンでは、
ローソンと佐川急便が業務提携を行い、ローソン店頭で佐川急便の荷物の受け取りや店頭を起点とした配送や御用聞きサービスを開始しています。
「SGローソン」の配達員が自宅まで荷物を届けるサービスを行います。その際、配達員はタブレットを持参し、御用聞きにも対応します。その場で商品の発注、ライフサポートサービスの取り次ぎ、商品取り寄せサービスなどさまざまなニーズに応えています。

・SGホールディングスグループの佐川アドバンス株式会社では、
専門の訓練を受け資格を備えたトラベルヘルパーが同行し、介護が必要な高齢者や家族が安心して旅行や外出を楽しむことができる「介護旅行(外出支援)サービス」の提供を開始しています。

・海外では、
高齢者や障害者に対し、買い物のための電動もしくは手動の車椅子やスクーターを貸し出すというものがあり、地域の商店街やショッピングセンターなどでの買い物のための移動を助けています。

こうした取り組みを推進するに当たっては、
①継続的にサービスを提供できる収益の確保
②物流事業者間や他の輸送モードやサービスとの連携
③地域固有のニーズへの対応
といった課題をいかにクリアするかが迅速な展開のポイントになります。

今まで、産業活動に重きのあったビジネス・ロジスティクスに加えて、これからは安全安心や健康維持なども含めた生活を支えるロジスティクスの時代がやってきています。
物流事業者は今まで培ってきた効率的で合理的な物流システムや物流ノウハウから、介護に活かせる新サービスを創造し、高齢化社会におけるロジスティクスの使命と対策を積極的に検討するべきと考えます。

(文責:重栖 嘉明)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第311号 2016年1月27日)

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