データ活用で変わる自販機

この間インターネットのニュース記事で興味深い内容を見つけました。

「客ごとに商品が変わるマーケティング自販機」※1
このマーケティング自販機とは株式会社JR東日本ウォータービジネスの次世代自販機acure<アキュア>自販機のことです。皆さんも首都圏のJR駅構内で見かけたことがあるのではないでしょうか。この自販機の特徴は
・大型タッチパネルで、Suica等のICカードにも対応
・客がacure自販機の前に立つと、上部センサが客の画像をとらえ性別や年代を推定。
さらに時刻や気温情報をもとに、その人に最適なオススメ商品を表示させるなどです。

ところで自販機の数は年々減り続けているそうです。
その理由としては
・リーマンショック後残業が減って、夜間の自販機利用が落ち込んだ影響
・タスポの導入によりついで買いが減った(自販機でたばこと例えばコーヒーを一緒に買うなど)※2
などがあげられていますが、リーマンショック以降の消費者の節約意識の高まりも影響があるように感じます。自販機で飲み物を買うという「毎日のちょっとした出費」は節約の手段として真っ先に思い浮かびます。また同じ商品でも100円ショップやスーパーに行けばいくらか安く購入できるので、欲しくてもちょっと我慢して自販機からの購入を控えたりします。
しかしメーカーにとって自販機は値引きせずに販売することができる重要な販路であり、立地がよくて人気がある設置場所は取り合いになるそうです。
こうしてみると自販機という市場は、他社との競争も激しく、また取り巻く環境も厳しいといえます。このような厳しい状況の中、acure自販機は従来機よりも1.5倍程度の販売力があるそうで、また設置台数も増えており、好調といえるようです。
さらにこちらの自販機は販売力だけでなく、前出の記事のタイトル通りまさに「マーケティング自販機」でもあり、ヒット商品を生み出すための商品開発でも大きな役割を担っています。

商品開発にどのように活用されているかというと、Suica等ICカードを利用して購入することで、POSデータが蓄積されます。このデータを分析し、主要顧客の購買行動を検証し、仮説をたて、顧客ターゲットを想定します。
たとえば(株)JR東日本ウォータービジネスが販売している『FROM AQUA』というミネラルウォーターの場合、客ターゲットを「エキナカ(駅内)で購買して移動中に飲むビジネスマン・OL」として商品リニューアルを行い、それだけではなく移動中にミネラルウォーターを飲むことの悩みについても消費者調査を実施したそうです。その結果、歩きながら飲むときの悩みは「キャップが落ちてしまう」ということがわかり、歩きながら飲んでもキャップが落ちない、歩きながらでも飲みやすい『FROM AQUA』を開発しヒットにつながったそうです。(※3:ITmediaより)

(株)JR東日本ウォータービジネスのサイトの商品紹介を見てみると、『FROM AQUA』だけでなく他の商品も「acure自販機の時間帯別売上データを参考」などという言葉とともに紹介されており、acure自販機のデータは商品開発に大いに活用されているようです。
これまではどの商品がどれだけ売れたか、というデータは、商品の補充などで把握することができたと思われますが、定期券や乗車券という機能を持つICカードのデータと紐づくPOSデータなら、商品のデータだけではなく、商品を購入した人の性別や年代などの属人情報(非個人情報)や電車の乗り降りなどのデータまで把握できます。
さらにどの駅でどの時間に買い、その後どんな行動(電車を降りるなど)をとったかということまでわかります。
またSuicaという定期券や乗車券という機能を持つカードで購入できるという点がとても大きいと思います。自販機で飲み物を購入する度に他のカードなどが必要となると、いちいち取り出すのが面倒臭く、なかなかそのカードが使われない可能性がありますが、定期券や乗車券の役割を果たすカードでしたら、電車に乗る際は手に持っていたり、取り出しやすいところにいれていたりすることが多く、面倒くささをさほど感じることなくICカードを使って購入するので、よりデータが集まりやすいのではないでしょうか。

このようにデータを活用することで、これまで見えてこなかったことが見えてくることもあります。物流の分野も同様で、データを分析・活用することで見えてくることがあります。いつもなんとなく見ている在庫データを分析してみると、意外な一面が見えてくるかもしれません。日々の業務に追われてなかなかデータ分析まで手が回らない!というようなときは是非、ロジ・ソリューションまでご用命ください。

(文責:堀木)

【参照】
※1:プレジデント 2012/8/29 客ごとに商品が変わる「マーケティング自販機」
※2:PRESIDENT Online 2010年5月31日号 得するお金・数字 なぜ街中の自動販売機が減っているのか
※3:ITmedia エンタープライズ ビックデータが経営を変える 自販機ビジネスでは珍しいデータ活用で新境地開く JR東日本ウォータービジネス

(株)JR東日本ウォータービジネス 商品紹介

 

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第187号 2012年9月5日)

 

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