C重油紙パルプ価格と燃油サーチャージの関係
読者の皆さん、「C重油紙パルプ価格」と言葉をご存じでしょうか? きっと重油価格の関連の言葉だと気付く方も多いのではないでしょうか。
では「燃料サーチャージ」という言葉を聞いて皆さんはどう思われますか? 名称としては、燃油特別付加運賃、燃料油価格変動調整金、フューエルサーチャージ等とも呼ばれます。これは運送業の中でも航空・海運・陸運で使用する燃料油種が違うために名称が異なっているようです。
「燃料サーチャージ」という言葉は、荷主の立場からしてみれば聞きたくない話の一つではないでしょうか。また、運送事業者の立場からしてみれば荷主に説明しても同意を得にくい話の一つではないかと思います。
では「C重油紙パルプ価格」の意味ですが、海運事業者やフェリー会社が、燃料油価格変動調整金の名目で届出している認可運賃の「燃料サーチャージ」料金の基礎となるもので、「新日本石油(株)」と「王子製紙(株)」との間で取り決められたC重油の価格のことであり、四半期毎に見直しが図られるものです。
何故、C重油紙パルプ価格が燃油サーチャージの基礎になるのか
海運事業者や長距離運送のためにフェリー船やRORO船を利用している陸運事業者の方にとって違和感はないかと思いますが、民間企業である「新日本石油(株)」と「王子製紙(株)」との間で取り決めたC重油の価格が、届出している認可運賃「燃料サーチャージ」の基礎となっていることに少々驚きを感じる読者の方もいるのではないでしょうか。
ではなぜ海運事業者の多くが、この「C重油紙パルプ価格」を基礎にするようになったのかですが、以前は内航燃料油研究懇話会の答申価格(内燃研価格)を基準としていたものが、平成20年から「C重油紙パルプ価格」を適用する企業が増えてきたようです。
参考ですが、産業用のA重油価格や軽油価格は、財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターで公表されています。またC重油紙パルプ価格は日本長距離フェリー協会で公表されていますので、是非一度ご確認下さい。
(文責:濱野)
【参照】
日本長距離フェリー協会 日本長距離フェリー協会 燃料油価格推移表
一般財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センター
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第140号 2011年8月24日)