倉庫現場事務とコンサルタントの違い
私が今年の4月にロジ・ソリューションへ異動してから1年が経とうとしております。それまでは量販関係の在庫型倉庫で現場事務担当の仕事を行っておりましたが、現在はロジ・ソリューションでコンサルタント業務の仕事を行っております。
そして、新たな業務を通じて倉庫現場事務としての仕事とコンサルタントとしての仕事の違いに日々新しい発見と課題を体感しています。
倉庫現場事務では仕事の始まりと終わりが日々繰り返されるルーティン業務と突発的な倉庫現場でのトラブル対応を実施することですが、現在は仕事の期日に向けて毎回異なるテーマに取り組みます。テーマによって必要となる物流知識の領域が異なりますので、業務を円滑に進めるためにはコンサルタントとして要求される物流知識の範囲も多岐にわたります。
前述した通り、私は在庫型倉庫で勤務していましたので、恥ずかしながらDC(在庫型物流拠点)実務の知識しか解からず、TC(通過型物流拠点)及びクロスドッキング(物流センターの荷受け場で、入荷品を事前出荷通知に基づき保管するのかを識別して、出荷品を出荷場に通過させること)の知識が不足しておりました。
また、配送に関わる業務が少なかったため、貨物運賃を決める基準の一つである『貨物運賃と各種料金表(通称赤本)』の存在及び位置づけ(※1)を知りませんでした。
このように、新しい物流知識を習得する度に、物流に関わる基礎知識が不足していると痛感していました。そのことを上司に相談したところ、ビジネス・キャリア検定試験のロジスティクス・オペレーション3級(以下ロジオペ3級)の紹介を受けました。
ビジネス・キャリア検定試験とは、厚生労働省所管の特別民間法人中央職業能力開発協会が発足させたビジネス・キャリア制度のもと設立された試験です。
事務系職業の労働者に求められる、企業で職務遂行に必要な実務能力を評価するために、企業実務に即した専門的知識・能力を客観的に評価する試験で公的資格です。
ビジネス・キャリア検定試験
ビジネス・キャリア検定試験は職務・能力レベルに応じて分野・部門・級(※2)で分けられ、8分野14部門43試験があります。
ロジスティクス分野には2部門があります。
1.ロジスティクス・オペレーション部門
(包装・ユニットロード・荷役・保管・物流センター・輸送など物流現場の実務を行う上で必要な知識)
2.ロジスティクス管理部門
(物流サービス・物流システム・在庫・コスト・情報システムなど物流を運営管理するのに必要な知識)
今回私はその中のロジスティクス・オペレーション部門の3級を受験しました。
ロジオペ3級の内容を公式テキストの目次を通じて紹介すると、「1章.包装」から始まり、「10章.約款・物流保険.関連JIS等」までの全10章となっています。テキストでは物流用語の定義から学習していくことを推奨する内容になっています。
また、目次の各章ごとの概念や現場での実際の運用について紹介と説明を行なっています。
私は今回の学習の過程で倉庫現場において関わることのなかった輸送や輸配送システム、さらには海上輸送、航空輸送の知識を新たに取得することができました。
また、業務で関わってきた保管や包装の知識を再認識し、より深く理解することができました。次は、ロジ管理3級に挑戦したいと思います。
ビジネス・キャリア検定のロジオペ3級は物流に関わる基礎知識を問う試験です。新任の物流担当者の方、物流業界就職を志望される学生の方、物流の基礎知識を充実させたいという方は1度受験してみてはいかがでしょうか。
(文責:河本)
(※1)『貨物運賃と各種料金表(通称赤本)』は2010年で絶版。国の貨物自動車運送業に対する運賃規制に対して2003年3月31日以前の許可制だった頃は、貨物運賃の許可基準であり、 2003年4月1日以後の届出制では荷主との貨物運賃設定の参考基準として扱われている。
(※2)1~3級【1級休止あり】・1部門に複数科目あり
【参考文献】
中央職業能力開発協会ビジネス・キャリア検定 ロジスティクス・オペレーション3級
(ビジネス・キャリア検定試験 標準テキスト)
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第201号 2013年1月9日)