成長する通信販売市場:利用者はシニア層まで拡大へ

EC市場は今や8兆円に

先日の新聞記事に通信販売市場が急速に成長しており、コンビニエンスストアや百貨店の規模を超えた、約8兆円市場にまで成長していると報じられていました。

従来のカタログ・テレビ通販という取引形態から自宅や外出先からパソコンや携帯電話を使ったインターネット経由による取引形態に移行してきているようです。2000年の市場規模から見ると、パソコン・携帯電話の普及に伴い2008年時点で、約3倍の市場に膨らんだと見られています。

このように通信販売市場が成長している理由としては、一つには欲しいものを一ヶ所で揃えることができ、その場所も自宅(携帯であれば好きな場所)であり、さらに買い物の時間帯の制約も少ないことから、消費者の買い物に費やす時間の大幅節約が可能になっています。

二つ目としては、欲しいものの品揃えが店舗販売に対し圧倒的に豊富で、複数出展者の価格比較をした上で、安価にモノを購入することが可能になるということです。

モノの現物確認ができない、取引自体の信用度などの不安要素はありますが、通販市場の流通量と質の安定化や行政による消費者保護ルールの整備によるリスク回避も進められています。

EC利用者はシニア層へも拡大

私個人の実感としても、上記の利便性から数年前に比べて音籍、衣料、贈答品などの物品購入やチケット購入の場面で、確実に通信販売(Eコマース)利用の比率が高くなってきています。
消費者の利用層もパソコン、携帯電話のヘビーユーザーである若年層から、移動や外出に負担を感じる高年齢世帯層の利用率も増加しているようです。今後の少子高齢化の中で、このようなショッピング形態は非常に便利で、生活に欠かせないサービスになると思われます。

インターネットユーザーであるシニア層を対象にしたアンケート結果として、インターネットショッピングの利用率は70%以上であり、ネットショッピングが日常化されているという報告もあります。このような条件化において、通信販売市場は世代を超えた拡大を予想させます。

小売業界も従来の無店舗販売企業を始め、大手の家電・衣料・家具および百貨店、スーパー、コンビニの通販事業展開、さらに中小規模の通販事業参入が進められ、成長事業と成りつつあります。消費者と小売店との商取引は、ネット上での仮想店舗で行なわれますが、取引されるモノについては現物としての物流が発生します。物流業界としてもこの成長企業、事業側の戦力となる物流サービス提供と共に消黄者側の生活手段を意識した物流を考える必要がありそうです。

(文責:新立)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第41号 2009年7月22日)

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