はじめに
全国の一般貨物自動車運送事業者2083社の決算報告書と言える、「07年度決算版経営分析報告書」が先ごろ全日本トラック協会から報告されました。それによると、一社平均の売上高は前年度に比べて5.6%も減少しています。二年連続の減少です。
営業損益をみると△ 0.4%と5年ぶりの赤字転落となっており、経常利益率も0.1%まで落ち込んでいます。これはまだ景気が良かった07年度の結果です。にもかかわらずトラック事業は惨憺たる状況です。景気が急激に悪化した現在、多くの中小事業者が事業存廃の岐路に立たされています。
09年度になっても景気は一向に上向く気配がありません。このような状況ゆえ慢性的潜在課題とも言える「物流費削減」が、一気に顕在ニーズとして経営の重要課題にあがっている企業も多いのではないでしょうか。当然ながら企業にとって、無駄な物流を見直しコストを下げることは必要不可欠な経営課題であります。しかし、支払運賃のダウンや作業の内製化といった単純な対策だけでは、効能は一時的なもので終わり、後あと副作用の危険性をはらんでいます。
得意分野にこだわるよりも、顧客が高く評価する業務を探そう
ドラッカーは、「企業の目的は顧客の創造である。その為にはマーケティングとイノベーションが不可欠である。」と 言っています。
また、優れた営業部門では以下のような問いかけを常にしています。
「顧客はどのように変化しているか」
「競合相手はどう対応しているか」
「当社は顧客にどのような価値を提供しているか」
「当社はどのように競合相手と差別化を図れるか」、と。
どの企業でも自分の得意分野と言われるものを持っています。しかし、競争力は単に得意だと自負する業務を行うことで はなく、むしろ顧客が高く評価する業務を行うことから生まれるものです。 ピンチをチャンスに! 大幅な物量減の今、単なる値下げだけを考えるのではなく、ロジスティクスという武器による他社との差別化、そして顧客の創造へと繋げられないか、本気で考えてみても良いのではないでしょうか。
(文責:藤田)
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第24号 2009年3月18日)