CS活動を強化しよう

1.突然ですが、スイッチング・コストについて
スイッチング・コストとは、現在使用している商品やサービスから他の商品やサービスに切り替える際に追加的に発生するコストです。
物流シーンでわかりやすく言えば、業者切り替えにあたり既存拠点から新拠点に移転する際に発生する引越し費用等が該当します。
このスイッチング・コストは物流コンペ要件に組み込まれている場合もありますが、御下命を受けた後、「さてどうしよう?」「物流業者さんで負担してよ」という話しになることもしばしばあるようです。

2.マーケティング的にみたスイッチング対策
スイッチングをマーケティング的に解釈すると、「他社から乗り換え易く、かつ、自社から乗り換えられないようにする」方策を考えるということになります。
例えば既存顧客が他業者に乗り換えにくくするための対策としては、契約更新後の単価引下げ(設備償却分は引下げられる?)というプレミア型や契約期間中での解除に関する制約設定等ハードル設定型が考えられます。
また、新規顧客の自社へ乗り換えを促すために移転費用の一部負担等を行うなど、スイッチング・コストを低くすることが考えられます。
しかし、そもそもお客様が既存の業者を切り替えようと思い至る原因とはどんなものでしょうか?

3.CS活動強化の意味合い
CS(Customer Satisfaction)=顧客満足は物が売れない時代において、既存のお客様に継続して利用していただくためのKeyとなるもので、「すべてのお客様とその期待から始まる」という考え方のもと、何をどのように提供していくのかを考え、それを達成するための仕組み作りによってもたらされるものです。

         

このCS活動の目的は下記3点に集約されますが、既存のお客様が他業者へスイッチすることそのものを防ぐ意味で大きな威力を発揮します。   

- CS強化の目的 -
(1)お客様に自社の商品・サービスを継続して利用してもらう
(2)お客様に利用範囲を広げてもらう
(3)口コミや紹介等により新規客の獲得を図る

ある調査の結果によると、CSと業績指標に相関性があると認めた企業の上位回答項目のうち、30%以上の企業が相関ありと回答した項目は、(1)売上、(2)シェア、(3)相談室等への相談件数、(4)リピート率、(5)顧客数となっており、CS向上に取り組む意義が大きいことを示しています。ただし、CSは過剰な商品やサービスを必要とするものではありませんし、「すべてのお客様とその期待から始まる」と言っても、すべてに対応しようとするあまり経営資源を浪費しては何の意味もありません。
次のグラフは、弊社が実施したある物流企業のCSアンケート調査において、顧客満足度と契約継続意思の関係を見たものです。サービス全体に満足と回答している企業の80%以上がコンペなしでの契約継続(条件見直しを含む)を考えていると回答しています。

また、事業拡大の意思についても同様に満足度が高いほど、取引拡大(または拡大検討)意思が強くなっています。

CSを強化する意味合いとは、(1)「優良顧客を絞り込み」(2)「そのコアニーズを捉え、過剰サービスを行わないようにする」(3)「顧客とのパートナー関係の中で、販売・収益につながる活動を行う」ことにあると言えるでしょう。(優良顧客以外を相手にしないという意味合いではありません。どのお客様に対しても一定のサービス水準確保は必要です。)
日通総研の2008-2009度 経済・貨物輸送の見通しによれば、国内の貨物輸送量は2009年度も減少に歯止めがかからず、10年連続で減少するとともに40年ぶりに50億トン割れの水準まで落込むとの見方を示しています。
一方、荷主サイドでは物流コスト圧縮の為、業者切り替えや物流コンペが盛んに行われるものと考えられます。荷主から簡単に切り替えられないように、今こそCS活動を見直すときではないでしょうか。

4.物流業におけるCS活動の基本
顧客から見た物流業者の価値を、物流サービスを通じて顧客に提供する価値とコストのバランスであるとした場合、自社の価値を高めるためにはどのような活動を行えば良いでしょう???
顧客が求める価値を把握せずにいろいろな改善を行い、「お客様も喜んでいるだろう…」では自社の価値が高まりません。顧客が認めなければ効果のあるCS活動を実施したとは言えません。先程の調査結果で、顧客満足度を向上させるために一定の水準を設定している業務の上位は、(1)クレームの削減、(2)商品品質の向上、(3)営業対応力の強化、(4)業務の正確性向上、(5)接遇スキルの向上、(6)業務のスピードアップ、etc…となっています。

弊社が実施したCSアンケートでは特に営業活動に焦点を当て、顧客満足度を向上させる活動内容について分析を加えました。
下のグラフは満足度への影響度を横軸に、現在の満足度を縦軸にとったグラフで、右下の項目(赤丸で囲った部分)の満足度を上げることで全体として客満足が上がるという分析結果になりました。活動項目としてはフォロー営業の域を出ないものばかりですが、継続的なフォローの大切さが窺えます。

皆さんも顧客の生の声を基点とした対応サイクルを作り上げ、CS/KPIを独自に設定し、P→D→C→Aのサイクルを回していきましょう。

最後に、顧客が重視する指標(価値判断に使用する指標)で一般的なものは、KPIやスコアカードの形となってJILS(社団法人日本ロジスティクスシステム協会)等からガイドが出ておりますので参考とし掲載しておきます。

物流診断スコアカード(コスト部分を除く)
出典:(社)日本ロジスティクスシステム協会

※ これらの項目以外に5S実施率、セキュリティの度合い、各種問い合わせ対応の所要時間等々、CSに関する指標が考えられます。

(文責:菅野)

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