需要変動は「人」がつくる? ~消費増税対応の点描~

消費増税直前の時期、皆様は買い置き品の積み増しをされましたでしょうか?
一般的な需要変動を起こす要素として、販売促進活動(セールや特売対応)があります。常の場合メーカーでは、営業部門と顧客で販売促進の企画を立て、目標売上額を設定し、いつから、どの製品をどの程度出荷するかの出荷計画を具体化します。
規模の大きな場合には、需給・生産管理部門や物流部門に販売促進企画の内容を連絡し、協力を要請します。
しかし、全ての販売促進企画が連絡されることはまれで、また、出荷計画通りの出荷量とはなりにくいため、需給・生産管理部門や物流部門が出荷量の変動に悩まされます。

今回の消費増税の場合は国内一律適用のため、出荷量が増加する期限は明確ですが、長期間にわたり様々な業界に影響がある事から、いつから、どの製品が、どれだけの出荷が増加するかの出荷見込を誰も読み切れません。このため、需給・生産計画や、物流能力をどの程度事前確保をすれば良いかの根拠がなく、なかなか対応策が決められなかったのではないでしょうか。
今回の需要変動は消費増税が引き金となっている事から、3月末日までに売り切らないと、売れ残る事が確実です。見込通りの出荷量とならない場合には在庫が残り、製品仕様の変更やリニューアル等が重なると滞留在庫や、廃棄品になるケースもあります。
大手スーパーや百貨店でも、売れる時に売らないと商機を逃す事から特別コーナーを設置したり、営業時間を延長したりしていましたので、購買部門や生産部門も含め、各部門とも、営業部門や顧客から、供給に関する強力な要請を受け、対応に追われた事と思います。身近な家電品では、白物家電の2月の国内出荷額は前年同月比30.6%増で、9カ月連続のプラスとの事でした。また、2月の薄型テレビの国内出荷台数はで前年同月比45.2%増との事でした。

この状況のなか、ある大手物流事業者では、高水準の配送需要に対応するため、貨物の仕分け要員やトラック等を厚めに確保した事でコスト増となり、「薄利繁忙」が鮮明になっているとの報道もありました。
消費増税後の2014年度は、白物家電の国内出荷額は、2013年度に対し8.6%減の見通しであり、配送需要は急増した後、急減する事になりそうです。
本来、サプライチェーンマネジメント(SCM)では、市場/顧客の需要動向に合わせて供給力を調整し、製品の滞留や欠品を発生させない適正在庫を維持する事で、収益性とキャッシュフローの効率を高める活動で、既に広く定着していましたが、急な需要変動に対応する事は苦手としています。

この意味では、4月以降は、高めた供給力を速やかに需要量に合わせて調整すると共に、運悪く売れ残りとなった在庫の扱い方の意思決定が求められます。
出荷増対応で社内外の各関係先に協力を求めて供給力を増した経緯もあり、一旦変更した管理水準を再び元に戻してバランスを取り直す事は、困難な取り組みとなる事も予想されます。
また、来年10月にも再び消費増税が予定されている事から、今回の反省とその後の状況変化も視野に入れ、単に元に戻すだけでなく新たなしくみや工夫を加味し、上手く準備を進めないと調達先から逆選別される可能性もあり、困難さが一層増します。
消費増税による需要変動が一服したこの時期に、物流ネットワークやSCMの状態を改めて点検し、次の需要変動に備えて新たなしくみや工夫を具体化し、準備を進める事をお勧めします。

(文責:難波)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第245号 2014年3月28日)

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