2015年3月に出版されました「間違いだらけの物流業務委託」の一部をご紹介します。
「第3章 失敗しない物流業務委託先の選び方」では、委託先の継続起用と新規委託先選定の考え方について取り上げています。
物流業務委託は、ほとんどの企業で何らかの形で行われています。しかしながら、その委託先の業務遂行と契約継続の定期的な評価が十分ではありません。既存委託先だからこそ、評価が必要です。その評価は、業務活動の評価と委託先の貢献度を評価する視点があります。評価のコツは、要求するサービス内容を明確化した「業務基準」の作成とその重要評価指標(KPI)を明確にすることです。
「業務基準」は、委託元と委託先の接点作業について、委託する物流業務の業務内容の基準を明確にします。重要評価指標(KPI)は、自社戦略に基づいた重視する指標を選定し、「品質」「納期」「生産性」「コスト」面の指標を委託業務ごとに設定し、時系列での推移を把握して管理します。
評価の結果が思わしくないときは、既存委託先と議論し、再提案や改善を依頼し、結果を再評価します。その評価の結果で委託先を変更することとなった場合、「物流事業者」「コンサルティング会社」などの相談先の選択肢がありますが、メリット、課題を理解して相談先を決めることが重要です。自社で進めることも可能ですが、迅速に改革/改善を推進するためには外部の力をうまく活用するという視点を持つことが必要です。
委託先選定は複数の委託先候補を比較検討することが有効です。選定には、「物流コンペ」をはじめいろいろな方法がありますが、自社に合った選定方法を採用します。
選定した委託先との良好なパートナー関係のため、定期的にミーティングを開催することが必要です。会議は、経営層、管理層、実務層の三段階で開催し、本音で議論できるようにすることが重要です。
また、選定した委託先と共同で効率化の進む料金体系を導入することが有効です。委託先が自ら効率化を進めるような料金体系に加えて、自社の努力で効率化が進む料金体系の導入を検討します。また、成果配分(ゲインシェアリング)の仕組みの導入は、改善を加速するためには有効な手段です。
(文責:中谷 祐治)
詳しい内容は、日刊工業新聞社刊「間違いだらけの物流業務委託」をご覧いただけますと幸いです。
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第300号 2015年11月4日)
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