VMI(ベンダー管理在庫)と日本の百貨店商習慣について<前編>

メーカー(卸売)は、製造した商品を小売に販売し、小売は消費者へ販売する。これは当たり前のことであり、メーカーと小売の間では商品の売買が発生するので、小売が店舗で販売している商品は小売の所有物です。その当たり前が当たり前ではないビジネスモデルがあります。それはアパレル業界と百貨店との商習慣の事です。
今回の「ばんばん通信」ではその当たり前ではないビジネスモデルであるアパレル業界と百貨店の商慣習に対応するための在庫管理について前・後編の2回に分けてみていきたいと思います。前編の今回はまずアパレル業界と百貨店の商慣習についてみていきましょう。

皆さんは『委託販売』『消化仕入』『返品条件付き買い取り』という言葉をご存じでしょうか?
これは特にアパレル業界におけるメーカー(卸売)と百貨店(小売)間の取商取引の種類のことです。
それぞれ簡単に説明しますと、『委託販売』はその名の通り販売を委託する事であり、商品の所有権は商品が売れるまでメーカーにあり、小売は商品の販売を請け負う形態です。商品が売れればメーカーは小売に対して販売手数料を支払います。書籍販売もこの形態です。

次に『消化仕入』は俗にいう「富山の薬売り」に代表される取引で、服用した薬の代金のみ負担する形態です。これはメーカーに所有権がある商品を小売の店頭に陳列し、商品が売れた時点で、小売がメーカーから商品を購入(仕入)した事になります。

最後に『返品条件付き買い取り』は、小売の店頭に商品を納品した時に、小売は商品を購入するが売れ残った在庫はメーカーに返品できる取引です。

これらの取引形態で共通しているのは、商品が売れ残っても在庫処分リスクは小売ではなくメーカー側にある事です。その交換条件ではないと思いますが、『委託販売』『消化仕入』の形態では、小売店での販売価格の決定権はメーカー側にあるそうです。在庫処分リスクがメーカー側にあるので、メーカーはリスクを回避する為に利ザヤを大きくし販売価格を引き上げるとともに、百貨店への納品数量を抑えようとします。その結果、百貨店は安価な商品を豊富に品揃えする事が困難になってきます。これは、メーカーと小売の双方にとってマイナス要因となっているのではないでしょうか。

何故、これらの商習慣が生まれ現在も続いているのか理由は分かりませんが、アパレルというファッション性が高く、季節毎に売れるアイテムが異なる、企画から製造し店頭に並ぶまでに時間がかかり、見込み生産に頼らざるを得ないという特徴は少なからずその要因になっていると思います。
次回はこのような独特な商慣習に対応するための納品方法についてみていきます。
※次回へ続く

(文責:仲才)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第159号 2012年2月8日)

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