物流コンサルティングの現場で「伝える」を考える。

各メディアで続々と桜の開花予想が発表されています。関東は3月中旬に開花予想が発表され、いよいよ春の足音が聞こえてくるようです。桜の季節の到来は、さまざまな出会いと別れを想起させます。読者の皆さんのオフィスでも転入者や新入社員の受け入れに向けた準備が着々と進んでいるのではないでしょうか。

環境の変化が及ぼす好影響は数多くあり、それを享受するのは転入する側だけに留まりません。受け入れる側にも新たな学びや刺激があることは見逃せない好影響でしょう。これまでは「阿吽の呼吸」で難なく処理されていた業務について、知識レベルや前提条件が異なる相手に説明して理解してもらう。そして、納得した上で動いてもらう。こういった「ゼロから人を動かす」一連のプロセスを環境の変化を通じて経験することができます。前述のプロセスを円滑に進めるスキルは一朝一夕で身に付くものではありませんし、レベルを上げるためにはある程度の場数が必要です。したがって、特に外部との接点が少ない部門の方にとっては貴重な実践の機会ではないでしょうか。

コンサルティングの現場で「ゼロから人を動かす」のは日常茶飯事ですので、スキルを身に付けたい方には格好の環境かもしれません。プロジェクト単位でクライアントやプロジェクトメンバーが変わることは珍しくありませんし、プロジェクトテーマによってインタビューする部門や担当者が当然のように変わります。そういった環境下で問題の急所になるべく最短距離でアプローチすることが求められます。

その実現に向けて、クライアントと接する際に私が意識しているポイントが三つあります。一つ目は論点(相手の知りたいポイント)を押さえていること。二つ目は話がなるべくシンプルであること。そして、三つ目は話同士がしっかりつながっていることです。堅苦しく言い換えるならば、「論理的であること」でしょうか。少し前置きが長くなってしまいましたが、本稿では「人に動いてもらうために、わかりやすくに伝えること(≒論理的であること)」についてかみ砕いてご説明したいと思います。

皆さんの中にも以下のような経験をされた方がいらっしゃるかもしれません。

・顧客や上司への報告で「何が言いたいかよく分からない」と言われた
・プレゼン中に顧客に退屈そうな顔をされた
・論理的に説明しているのに、相手がなかなか理解してくれない
・上司に「MECEじゃない」と指摘された(恥ずかしながら、過去の私の実体験です)

今回はそういった読者の方や新入社員の方にも理解していただけるように、ビジネス本にありがちな専門用語(演繹法、帰納法等)はなるべく使わないよう心がけました。本稿の存在が転入者の方、そして転入者の受け入れに悩む方の一助となれば幸いです。

(文責:野尻 達郎)

【参考資料】
明治安田生命 「理想の上司」アンケート調査を実施! (2020年1月27日)
『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』(安宅和人,英治出版,2020年1月27日)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第425号 2020年3月11日)