環境対応型倉庫について(前編):太陽光発電を利用した倉庫

前編は、太陽光発電を利用した倉庫について、レポートします。

太陽光発電の仕組み

太陽光発電とは、「太陽電池」と呼ばれる装置を用いて、太陽の光エネルギーを直接電気に変換する発電方式です。

日本ではシャープ、京セラ、三洋電機等の大手電気メーカーが「太陽光発電システム」を市販しており、住宅用と産業用とに大別されます。物流事業者が太陽光発電システムを導入する場合は後者の産業用を選択する事となります。

太陽光発電システムは、太陽の光エネルギーを受けて太陽電池が発電した直流電力を変換機により電力会社と同じ交流電流に変換し、倉庫内の照明、空調、エレベーター、ソーター等、さまざまな電気設備に電気を供給する事になります。系統連携方式によるシステムでは、電力会社の電線とつながっているため、発電した電力が消費した電力より上回った場合には、電力会社に送電して電気を買い取ってもらう事が出来ます。逆に、太陽の光を満足に得られない天候の時や夜間は、電力会社の電気を使用しますが、これらの切替えは自動的に行われ、システム上の操作の煩わしさはありません。

太陽電池について

太陽電池は、光エネルギーから電力、即ち電気的なエネルギーを生成します。地球上に到達する太陽光のエネルギー量は、1平方メートル当たり約1kWあると言われています。この光エネルギーを太陽電池の特性を利用し電力に変えて行きます。この仕掛けには、身の回りの電子機器に組み込まれている「半導体」を利用しています。これにより、光から電力への変換は直接的且つ瞬間的に行われる事から、光を受けているとき以外は発電はしません。

太陽光による発電では、地球温暖化の原因とされている二酸化炭素を全く排出せず、クリーンである事が大きな特徴です。

太陽光発電システムの機器構成

(1)概要図

(2)関連機器明細

センコーでの取り組み

水島物流センターでは、2008年12月に増設した第3物流センターに「太陽光発電システム」を導入しました。今回は、使うエネルギー自体の見直しによる“一歩進んだ省エネ対策”を紹介します。

(1)取組1

現在、水島物流センターの全施設(普通倉庫6棟、危険物倉庫1棟、事務所)では、照明や空調、動力・制御機器などの大半を太陽光のエネルギーで稼働させています。その発電量は年間約10万kwhで、前年よりCO2を56.4トンも削減しました。
更に昼間や休業日は施設内の消費電力が低いため余剰電力を売電することができ、コスト削減にも一役買っています。

     
水島第3物流センター上空                            地球温暖化社内会議

(2)取組2

日々の発電量やCO2削減量はリアルタイムで画面に表示され、消費電力のスペースや目標値をチェックすることができます。
データソフトには地球温暖化についての動画解説も含まれており、社内勉強会の教材や、お客様と環境意識を共有するツールとして活用しています。

後編では太陽光発電を導入するにあたってのメリット・デメリットを解説します。

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