企業や業界の文化・慣習が物流業務に与える影響

ロジ・ソリューションは、荷主の物流を行う物流事業者を選出する物流コンペにおいて、提案依頼書(RFP)の作成等の支援を行うことがあります。

RFPでは、自社製品の物流取り扱いについて物流事業者に正しく理解してもらうことが必要です。そのため、RFP作成の際には自社や業界独自の文化・慣習に注意する必要があります。

例えば、私が過去多く担当していた小売業物流では、商品のピッキング取り扱い単位はピース・ボール・ケースの3種類の場合が多くありました。

しかし、ある雑貨メーカーの物流でのピッキング取り扱い単位は、

・最小単位であるピース
・ピースを10個小箱に入れる単位
・小箱を10個入れる中箱の単位
・中箱を10個入れる大箱の単位

というように4種類ありました。

また、あるアパレルの企業では、ピッキングで取り扱う数にない、製造工程の単位を企業内で使用していました。

以前のばんばん通信でも物量データ分析の注意点について記述しましたが、「1」という数が何を表すのか、など企業や業界の文化・慣習を把握しておかなければ、物流センターの設計が大きく勘違いしたものになりかねません。取り扱い数量単位はWMSなどのシステムでもマスターとして必要なもので設計後に後から変更すると大きな改修になりかねません。

今回、事例として取り上げたピッキングの取り扱い単位以外にも、企業や業界によって様々な違いがあります。それゆえ、荷主は自らの物流を滞りなく動かすために、物流事業者は混乱なく物流センターを運営していくために、企業や業界の文化・慣習を意識して物流条件を確認する必要があります。但し、荷主企業にとって自社や業界の文化・慣習の独自性を単独で認識することはとても難しいことだと思います。その企業、業界に属している者にとって、その文化・慣習は『当たり前』であり、特別ではないからです。

このようなことにならないようにするためには、物流事業者選定に際しては、コンサルティング会社等、他社に協力を求めることも選択肢の1つであると考えます。それらについては、「物流コンペで良い提案を引き出すコツ」や「成功するコンペの進め方」など他のばんばん通信もぜひご覧ください。

(文責:真壁 由香)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第398号 2019年1月23日)