不動在庫問題の解消は経営体質の改善につながる

不動在庫が増加すると、財務面で以下のような悪影響をもたらします。

  • 費用の増大(人件費、倉庫賃料など)
  • キャッシュフローの悪化
  • 廃却損の発生

また、不動在庫を解消しないまま、総在庫の削減を行ってしまえば、流動品の在庫を減らしてしまう事になり、欠品の原因になることもあります。さらには、劣化や期限切れによるクレームから会社信用力の低下を招き、経営自体に影響を及ぼす可能性も考えられます。

そのため、在庫を持つ企業の殆どが在庫削減を目標に掲げ、それに向けた取り組みを行っています。しかしながら、実際には在庫の実態を正確に捉えている企業は少なく、真の問題を把握出来ているケースは少ないように感じます。

在庫は、仕入れや生産の良否を反映します。少ない在庫で回せていれば、それは仕組みが整っている証拠ですし、逆に在庫が多ければ仕組みが整っていない証拠です。ここまでの内容を踏まえると、一見、在庫が悪さをしているように見えてしまいますが、在庫は様々な活動の結果であって、原因ではありません。つまり、手を打つべきは「在庫になる原因」に対してとなります。原因を取り除かなければ問題は解決しません。

不動在庫の発生は事業形態によって多種多様ですが、代表的なものとして以下のような原因が考えられます。

  • 少量流動品に関しては在庫コントロールを行っていなかった
  • 生産ロットサイズの見直しを積極的に行っていない
  • 年に1回程度の受注しかない製品に対し、見込み生産を行っている
  • 在庫に関して注意を払っていない

発生した不動在庫は勝手には減りませんので、廃却や廉価販売などの人為的な処理が必要となります。

不動在庫発生の分析を行うと、業務フローやシステム、組織などの非効率な部分が明らかになってきます。したがって、不動在庫を抑制する仕組みの構築は、経営体質の改善にもつながります。

是非、一度物流診断を受け、現状を定量化されてみてはいかがでしょうか。

(文責:小谷地 俊輔)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第380号 2018年4月18日)

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