物流事業をプロフィットセンター化できる最後のチャンスかもしれない

物流事業者が克服すべき課題

物流事業者は基本的に荷主より荷物を預かり、時間乖離を埋めるサービス(保管機能)、空間乖離を埋めるサービス(配送)を主軸に企業運営しています。

この単機能サービスの提供は荷主の要望に従ってなされるものですが、物流事業者は荷主の成長に合わせて企業規模を拡大してきました。そのためどうしても荷主と物流事業者は主従関係になりやすく、荷主の要望に合わせることを第一義とする傾向があります

物流事業者がこれからも事業成長するためには自らの価値がどこにあるのか、市場に合致したサービスを提供しているのか、ギャップがあるならそれを埋めるサービスは何なのかを再度考えてみる必要性があります。

成長著しいEC市場を対象とした物流:EC物流に取り掛かろうとしている物流事業者が増えてきています。事業化させるためには自社の核となる業務と価値を再認識し、市場を意識した上で新領域の事業に踏み出す必要があります。

ポートフォリオマネジメント

事業のライフサイクルを問題児、花形製品、金のなる木、負け犬の順に位置づけ、マトリックスで表記。縦軸に市場成長率、横軸に市場マーケットシェアをとり、問題児、花形製品、金のなる木、負け犬のマトリックスに分け、金のなる木で生じた利益を問題児や花形商品に投資して、金のなる木へ育てようとする事業戦略がポートフォリオマネジメントです。

一般的な事業は、問題児(例えばEC物流)から出発し、花形製品を経て金のなる木になる。

自社の事業が、今どこに位置しており、今後どのようにすべきか、又、成長分野への事業展開が行われているのか等の変化対応の経営戦略が必要となります。

小売りにおけるEC化率が拡大を続けており、新しいサービスに参入しようとする物流事業者はトレンドを読み取る能力が必要となりますが、EC物流は荷主側のマーケティング戦略に大きくかかわってきますので、これまで以上に荷主側と物流事業者側のコミュニケーションが重要となっています。荷主の売上向上に寄与する物流、使い古された言葉ですが「物流のプロフィットセンター化」できる大きなチャンスともいえるのではないでしょうか。

(文責:釜屋 大和)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第442号 2020年11月11日)