「質問力」とは

先日受講した研修で、AL(アクションラーニング)を行いました。これは、問題解決型チーム学習手法の1つです。

研修では、一人が問題を提示しチームメンバーからの質問に回答する形式をとりました。問題提示者に対してチームメンバーから質問が繰り返されたことにより、最初に提示した問題の根本原因が次第に明確化されていきました。根本原因が明確化された後に、チームメンバーが解決に向けた助言を行いました。最終的には、問題提示者が問題解決に向けて具体的にどのような行動を取るのかを、決定していきました。

研修後の振り返りとして、問題提示者は質問が繰り返されて、その質問に答えるために考えることによって、気付きを得られたため、すぐに助言をもらうよりも納得感を得られるという意見がありました。加えて、私としてはチームメンバーが問題提示者に「どのような質問」を投げかけたかが、問題の根本原因を見つけ納得する解決策を見出すためには重要であったのだと思いました。

しかしそれと同時に、相手が問題の根本原因を見つけ納得する解決策を見出すことに繋がるような的確な質問をすることは根本原因が分からない点と、その中でどこが根本原因に繋がるかを模索しながら質問する点において、難しいとも感じました。

そこでヒントを探るべく以前購入していた『コンサルタントの「質問力」』という本を読んでみました。
著者曰く、コンサルタントの質問力は、大きく3つの能力から成り立っています。

1.仮説力
情報を集め、分析し、まず相手の立ち位置がどのあたりなのか仮説を立てます。それにより、相手がいる位置よりも一歩先の質問をすることが出来、結果、相手に新たな気付きをもたらすことが出来ます。

2.本質力
相手の話の内容の言い換えや「ワンメッセージ化」をすることで相手に、問題の本質に気付かせ、目標や目的を再構築することが出来ます。

3.シナリオ力
深堀しつつも話の大きな流れをつかみ、軸をぶらさずに質問していくことで、相手が納得する解決策を見つけ、行動へと繋げてもらうことが出来ます。

「質問力」があれば、お客様のニーズや状況把握が的確になり、目標設定と目標達成のための手段の選択も的確になります。その後の努力が、成果や評価に結び付く可能性が高くなるそうです。

本を読み、改めて質問力の重要性を認識するとともに、一朝一夕で身に付けらえるものではなくそれが故に価値があると思いました。私自身、質問力を身に付けるためにも、まずは仮説力を高めるためにコンサル業務の経験を積み重ね、情報を収集し、仮説を立て、実際と比較して、情報の捉え方のどこが実際との差異に繋がったのか、検証していきたいと思います。

(文責:星 絵里華)

【参考文献】
『コンサルタントの「質問力」』(野口吉昭著、PHP研究所、2008年3月18日)

(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第331号 2016年7月20日)

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