物流の人材を確保するために2:エンゲージメントの5要素とは

はじめに

前号では、人材を確保するうえで、企業と自身の関係性における大切な要素のひとつに「エンゲージメント」があり、それは「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」であるとご紹介しました。

ここで確認しておきたいのは、従業員満足(ES)とエンゲージメントの違いです。前者は、会社から与えられた環境に満足しているかどうかですので、福利厚生や給与面などの待遇が大きく影響します。一方エンゲージメントは、組織や仕事に対して自発的な貢献意欲をもって取り組めている状態を指します。従って、従業員満足には会社側のコストが伴いますが、エンゲージメントには一概にコストだけで対応できないという特徴もあります。

経営の視点から見たときに、そもそもエンゲージメントとはなんのために行うのかというと、そのゴールは、業績もしくは企業価値を向上させることになります。従業員満足度と企業の業績との相関はほとんど見られない一方で、エンゲージメントが構築できている企業は、業績を含めたさまざまな指標で企業価値を向上させているという下記のKPIデータもあります。


(出所:The Gallup Organizationの調査より)

エンゲージメントの5要素

ある企業(株式会社アトラエhttps://atrae.co.jp/)が調査した1000万件のデータから、このエンゲージメントは、主に以下の5つの要素から成り立っているといわれています。

  1. 仕事への熱中 やりがいを感じ、日々前進しながら仕事に取り組めているか
  2. 組織への共感 組織が掲げるビジョンや戦略に共感できるか、組織への誇りを感じているか
  3. チームワーク 仕事仲間や上司とチームワークとしてよい関係性を築けているか
  4. 健康的な職場 健康的に、また仕事だけでなく家庭やプライベートも大事にできている環境か
  5. 待遇 評価や給与に対して、納得ができているかどうか

これらの要素を俯瞰してみると、会社自体が旧来の組織の在り方とは違う形が求められているという一面ものぞかせていることが想像できます。

次号では、エンゲージメントと組織の在り方について、さらに深堀していきたいと思います。

(文責:貞 勝利)

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