コロナ禍だからこそ学びたい産業財(BtoB)マーケティング4 「経営理念の重要性」

前回は消費財(BtoC)マーケティングと産業財(BtoB)マーケティングの違いについて、市場特性と購買における意思決定の観点を中心に紹介しました。今回はマーケティング戦略構築の第一歩である現状分析について、実例を交えながら説明します。

振り返りも兼ね、マーケティング戦略構築ステップの全体像を再掲します。以降は下記の7ステップに沿い、マーケティング戦略構築について説明していきます。

1. 現状分析
2. 基本方向の設定
3. コンセプトの設定
4. 提供物・価格の明確化
5. 販売チャネルの設計
6. 販売促進の検討
7. 営業活動の検討

今回は現状分析について説明します。ここでは、経営戦略論のフレームワークである4Cを用いて、現状分析について明らかにしていきたいと思います。
4Cという言葉を聞いて、読者の皆さんはどんなことを思い浮かべるでしょうか。4Cとは、Company(自社)、Customers(顧客)、Competitors(競合)、Context(マクロ環境)を表します。その中でも今回はCompany(自社)にスポットライトを当てています。

Company(自社)の分析にあたって、主要な確認すべき項目としては3つあります。それは経営理念、事業領域、コアコンピタンスです。

まずは経営理念について説明していきます。
基本的には「企業が顧客に対してどのような価値を提供したいかを示したもの」と考えられます。
さて、ここで各物流事業者の経営理念を確認してみたいと思います。

流通事業の使命を自覚し、つねに最高の技術、最高の能力、最高のマナーをもって、顧客の立場に立って義務の完遂をはかる。これが3Sの精神である。(センコー)

We Fine the Way(日本通運)

広く未来をみつめ 人と自然を大切に 良質なサービスを通じて 豊かな社会づくりに貢献します(日立物流)

社会的インフラとしての宅急便ネットワークの高度化、よい便利で快適な生活関連サービスの創造、革新的な物流システムの開発を通じて、豊かな社会の実現に貢献します。(ヤマトホールディングス)

私たちは、お客様の物流を進化させ続け、お客様と社会に美しく透明な流れをつくる会社です。(NTTロジスコ)

同じ物流事業者とはいえ、各企業の実現したい価値はさまざまであることが分かります。荷主企業の物流事業者選定をご支援していますが、企業理念の差が各社の提案内容に表れていると感じたことが何度もありました。

初期段階で経営理念の確認を通じて、自社が大切にする価値観を明らかにすることは、マーケティング戦略構築における柱を作ることと同義といえます。自社の経営理念を把握することで、顧客や競合の定義についてもスムーズに進めることができます。これまで既に経営理念が策定されている前提で説明を進めましたが、新たに経営理念を定めなければいけないケースも想定されます。

今回はマーケティング戦略構築における現状分析(ステップ1)の自社分析のうち、最も重要である経営理念についてご説明しました。次回は自社分析の事業領域についてご紹介したいと思います。

(文責:野尻 達郎)

【参考資料】
『産業財マーケティング・マネジメント(理論編)』マイケル・D・ハット、トーマス・W・スペイ
『戦略的産業財マーケティング』笠原英一
visionguide 企業理念・経営理念から会社を知る、経営ビジョンまとめサイト

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(ロジ・ソリューション(株)メールマガジン/ばんばん通信第451号2021年4月7日)

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