05【環境対応編】改正省エネ法対応~CO2排出量の把握と削減~

(1)はじめに

 2010年に入り早いもので、1か月が過ぎようとしておりますが、第3グループとしては初めての寄稿になります。本年もロジ・ソリューション及び、『コンサルタントが物申す』を、どうぞ宜しくお願い致します。昨年に引き続き、第3グループでは、物流分析手法をシリーズとして紹介致します。
  
 昨年の、国連気候変動サミット(2009年9月22日ニューヨーク)での鳩山首相の『温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比25%削減意志表明』(首相官邸ホームページへのリンク)や、改正省エネ法施行(2006年4月)から丸4年経過しようとしているなど、省エネ、エコにさらなる関心が高まっています。

 今回は、物流における改正省エネ法に対応する為のCO2排出量の把握方法と削減手法を取り上げます。過去に、ばんばん通信第23号『物流環境対策』(2009年3月11日発行)で一度ご紹介しており、目新しいものはありませんが、今一度基本に立ち戻って、詳しく整理し紹介致します。

(2)CO2排出量把握方法と削減手法

 2005年2月の京都議定書の発効に伴い、地球温暖化対策推進法改正に合わせて省エネルギー法が05年改正、06年に施行されました。この改正により、年間3千万トンキロの輸送を行う荷主は、特定荷主として、物流面での「省エネ計画の策定」報告と、「エネルギー使用量(CO2排出量)の報告」義務が課される事となりました。

1)CO2排出量把握方法

CO2排出量の算定は輸配送手段と入手可能情報によって4種類の算出方法があります。

bunseki_series05_01

4種類の算定式は、以下の通りになります。

(1)燃料法

実際の燃料使用量を用いて算出する為、非常に正確性が高い方法。

   燃料使用量 × CO2排出係数 = CO2排出量
   (リットル)    (kg‐CO2/リットル) (kg‐CO2)
   ※CO2排出係数は表1参照

(2)燃費法

燃料使用量の把握は難しいが、車種別の燃費が分かり、正確性を重視する場合の方法。

  (輸送距離 ÷ 燃費 ) × CO2排出係数 = CO2排出量
   (km)  (km/リットル)   (kg‐CO2/リットル) (kg‐CO2)
   ※CO2排出係数は表1参照
   車種別の参考燃費は表2参照

(3)改良トンキロ法

輸送した商品の重量と、納品先までの距離、車種及び積載率が分かれば、算出可能な方法。一般的に、正確性は低い。また、積載率など不明部分は、みなし値を適用可能。

   輸送重量 × 輸送距離 × 燃料使用原単位 × CO2排出係数 = CO2排出量
    (t:トン)     (km) (リットル/t・km)   (kg‐CO2/リットル) (kg‐CO2)
   ※CO2排出係数は表1参照
    みなし積載率、燃料使用原単位は表3参照

(4)従来トンキロ法

輸送した商品の重量と、納品先までの距離がわかるが、輸送車輌の使用燃料や積載率が不明な場合に排出量を算出する方法。鉄道・船舶・航空機などトラック以外の輸送モードを使用する場合は、この方法を使用。

   輸送重量 × 輸送距離 × 排出原単位 = CO2排出量
   (t:トン)     (km)  (g‐CO2/ t・km) (kg‐CO2)
   ※排出原単位は表4参照

<表1 CO2排出係数(配送関係のみ抜粋>
bunseki_series05_02

<表2 自動車燃費表>
bunseki_series05_03

<表3 改良トンキロ法 燃料使用原単位>
 
1)積載率が明確な場合の貨物輸送量当りの燃料使用量の算定式
   式:ln(x) = 2.71 -0.812ln(y)-0.654×ln(z) (ln:自然対数 ロン)
(ln:自然対数 ロン、x:貨物輸送量当りの燃料使用量(リットル/t・km)、y:積載率(%)、z:貨物自動車の最大積載量)
2)積載率が不明確な場合の貨物輸送量当りの燃料使用量の係数

bunseki_series05_04

<表4 従来トンキロ法CO2排出原単位>
bunseki_series05_05

2)CO2排出量削減手法

ではCO2排出量を削減するにはどうすればいいのでしょう。資源エネルギー庁の推奨する削減手段としては、以下の4つがあります。

1.物流事業者、着荷主との連携(多頻度少量物流の見直し等)
2.輸送効率の向上(積載効率向上、車両大型化、共同化、輸送距離短縮等)
3.貨物輸送の合理化のための輸送手段の選択(モーダルシフト)
4.製造業における環境配慮型製品開発(ユニット化、軽量化、小型化)

 多頻度少量物流の見直しは得意先のサービスにつながる部分も多く、長期的な取り組みが必要となります。積載効率の向上や車両大型化は、それ単体では一定レベルまでとなり、共同化や輸送距離短縮を目指した配送デポ見直し等になると、中長期的な取り組みになると想定されます。

 また、商品開発部門との調整が必要な製品開発も、重要な事ですがハードルの高い対策と云えます。短期的な取り組みとして、「モーダルシフト」という対策があります。モーダルシフトとは、CO2排出量削減を目的とした、トラックによる貨物輸送から、鉄道や船舶に転換し、より環境負荷の小さい手段に切替えることを意味します。
 
 物量が多い幹線貨物輸送をモーダルシフトした場合、エネルギー節減、CO2排出量抑制、道路交通騒音の低減などのメリットが期待されます。一方、コンテナ列車、コンテナ船の増強、駅、港での積替え作業効率の向上施策等のインフラ整備が必要となります。

以降は、弊社書籍をご参考ください。

図解でわかる 物流の基本としくみ

ロジ・ソリューション株式会社は、センコー株式会社のコンサルタントチームとして豊富な経験と実績を蓄積し、物流分析のノウハウを持っております。物流環境対策でお困りの荷主企業様、また荷主企業様へ環境対策提案を実施したい物流事業者様も、ロジ・ソリューション株式会社までご相談下さい。