物流KPIの管理

皆様の担当業務ではKPI管理をされていますか?
KPI管理はだいぶ前から一般的な言葉になってきたので、必要に応じて活用されている事と思いますが、ここでは新年度にあたり、初めて物流部門に配属される方や新入社員の方もいると思いますので、物流KPI管理の概要をお話ししたいと思います。

まず、言葉の意味をおさらいしますと、KPI(Key Performance Indicator)は、「重要業績評価指標」のことを言い、簡単に捉えると“目標の達成度合いを測る指標”となります。よってKPI管理とは、この指標を管理していく事となりますが、この「管理」の考え方がとても重要です。その理由は後程述べますが、まずは改善活動推進におけるKPI管理を行う際の大枠の流れをご説明します。

①現状把握
現状を把握して、問題点を抽出し目標を設定する。この時の目標は可能な限り定量的に表現する。

②KPI項目の設定と把握
目標の達成度合いを数値で測れる指標=KPIを設定し、現状のKPIを捉える。

③対策実施
優先度の高い改善・効率化策を実施する。

④対策の有効性確認
継続的にKPIを捉えてその推移を管理し、改善・効率化策の有効性を評価する。
想定効果が得られない場合は、その要因を突き止めて新たな策を打つ。

⑤評価と新テーマへの展開
目標値を達成したら新たな目標を設定したり、①に戻り新テーマに着手したりする。

このように、一般的な流れを書きましたが、改善や効率化を推し進めていく際の効果を数値で継続的に捉えて、達成状況を明確化するのがKPI管理です。

次に、KPI管理におけるポイントをご紹介します。

A.目標にマッチしたKPIを設定する
それぞれの業務における目標を設定しているわけですから、目標にマッチしたKPIを捉える必要があります。

B.KPIはシンプルに
KPIを捉えるために工数がかかってしまったり、条件が複雑になるとKPI管理自体が負荷になったり、本末転倒です。

C.たくさんのKPIは不要
管理対象のKPI項目は必要最低限にとどめましょう。10個以上もある場合は管理面の複雑化が想定されます。

D.KPI管理資料のアウトプットはグラフ化
このような数値を扱う資料は見た目が大事です。わかりやすいグラフで報告し関係者で共有しましょう。

F.他社のKPIは参考にならない
管理項目は参考になっても、数値は参考になりません。捉え方も違いますし、深さや範囲も違います。自社オリジナルのKPIを管理して、目標達成度合いを捉えてください。

さて、冒頭で「管理」の考え方が重要だと書きましたが、理由として改善・効率化の目標達成状況を可視化する一つの方法として行うのが、KPI管理だからです。間違っても、KPI管理をする事が目的ではありません。
決まった項目のKPIを拾って月例会議で報告して・・・の繰り返しになっていないでしょうか。是非、KPIの中身を検証し、改善や効率化の一つのツールとして有効活用してください。

(文責:熊澤 裕一)

ロジ・ソリューションでは、改善・効率化だけでなくKPI管理の活用も合わせたご支援が可能です。是非ご相談ください。(お問い合せはこちら

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第319号 2016年3月23日)