業務の棚卸で作業量の削減をした話:前任者から引き継いだ作業の目的を再確認しよう

はじめに

皆様は業務の棚卸を定期的に実施されていますか。

特に新たな業務を引継いだものの、実際の用途はよく分からないまま、ただ作成/提出することが目的となっているという場面はありませんか

そのようなものがあれば、一度業務の棚卸をすることをおすすめします。

以前、物流事業者様からご依頼をいただき、業務改善の第一ステップとして現状の物流業務の実態を把握させていただいたことがありました。今回はその一部をご紹介いたします。

前任者から引き継いだ日報をどうするか

そのプロジェクトでは実態把握の一環で帳票関係の確認も行いました。その中に取引荷主様へ配送終了後に提出している日報があり、その中身は運行メーターの開始距離・終了距離、納品先名、到着時間等、細かく車両別に作成し、FAXをするという業務です。1枚作成するのに約2分を要し、平均10車両の配送があるため、1日あたりは20分程度の作業となります。1カ月の稼働日が平均25日であったため、年間で考えると「2分/枚×10台×25日×12カ月=100h/年」の時間を割いていることになります。

この日報の提示目的を担当者様に尋ねると、「提出すること」を数年前に前任者から引き継いだが、どのような情報を求められており、この日報がどう活用されているのか、その理由は把握していないとのことでした。

このような業務は受託するために必要な業務の一つだということは認識していますが、現在でも同じような方法、手段で続ける必要があるのかは問題提起する必要があります。提出することを義務化されている業務については、習慣であるがゆえに、やり方を変えないまま数十年続けているケースはよくあります。

この日報については、荷主側の管理および把握したい内容を明確化することで、場合によっては提出フォーマットの見直しやFAXという提出手段の変更ができる可能性があるため、現状の対応方法および工数の説明、そして日報の用途について改めて確認し、見直しを依頼してみてはどうかと簡単なアドバイスをさせていただきました。(プロジェクト外のことでしたので、個人的なアドバイスです。)

数か月後、別件でご連絡した際に状況を確認すると、提出フォーマットがExcelに変わり、1行1台で作成が簡素化したこと、また納品先名等の配車明細は1カ月に一度、システムから出力したものを提出することで了承を得られたとのことでした。その結果、所要時間も半分以上削減できたと伺いました。

日々の習慣になっているからこそ、疑問に思わないことがありますが、そこには改善できる内容があるかもしれません。皆様も一度、業務の棚卸をしてみてはいかがでしょうか。

(文責:南部 大志)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第446号 2021年1月28日)