太陽光発電と物流業界

太陽光発電の新たな買取制度がはじまる

平成21年2月24日二階経済産業大臣(当時)が、太陽光発電の新たな買取制度についての基本的な方針を打ち出し、4月発表した経済危機対策における『低炭素革命』施策の中にも、《太陽光発電の新たな買取制度について》というものがおりこまれております。

制度実施に向けた準備をしている資源エネルギー庁の買取制度小委員会(中間報告)資料によると、太陽光発電によって得られた電力から使用した電力を差し引いた余剰電力の買取を電力事業者に義務付ける制度のようです。具体的には

・買取対象は、余剰電力に限定しており、かつ発電事業目的は対象外
・買取期間は、10年程度の期間を目安とする
・買取価格は、初年度は住宅用が48円/kWh、非住宅用が24円/kWh程度の見込みで、毎年更新され、設置する年度毎に低減されていく
・電力需要家の負担は、太陽光サーチャージとして標準世帯で月数10円~100円程度5年ほど前にドイツで導入され爆発的に普及し、世界各地に広まっている

「FIT:フィードインタリフ」(=固定価格買取制度)と類似はするものの若干異なるようですが、環境対策と需要を呼びよこす材料として多いに期待されております。

物流企業と太陽光発電

このような状況の中で、物流企業の側に立つと大きく2点の事が考えられます。

1点目は、支援策による発電装置の製品需要増大に伴った、輸配送物量増大への期待です。太陽光発電への政府の支援策は、買取制度だけではなく国自治体による発電装置そのものへの購入補助や、スクールニューディール政策による学校への太陽光発電装置工コ改修などがあり、20年後には40倍にする目標を掲げております。現に、ソーラーパネルメーカーの出荷量は対前年2~3倍になっているとの情報もあります。

物流企業にとっては、貨物輸送量が年々減少する世の中で、久々の明るい材料だといえます

2点目は、物流センターへの設置です。

物流センターへの太陽光発電設置による、管理コストの圧縮も期待する所です。一般的には、物流センター運営コストの約3%程度が電力コストとされており、この部分の圧縮及び、余剰電力を売電する事によりさらなる圧縮が想定されます。

コスト圧縮により、荷主へは夏用圧縮、物流企業へは利益増加が見込まれます。将来的な展望として、広大な物流センターの屋根スペースを最大限利用出来るような制度になれば、センター運営単価も変動するかもしれません。

ロジ・ソリューションの親会社のセンコー株式会社でも08年12月に竣工した、岡山県倉敷市にある水島物流センターにも100kWの太陽光発電設備を設置しております。以上のような点を考慮した中で、空前のエコブームを利用する事がここ数年の物流企業には必要ではないかと思われます。

※FIT…固定価格買取制度と訳す。日本型買取制度とは、<買取対象が余剰電力のみ>、<電力事業は対象外>、<買取価格が全て毎年引下げされる>などの点が異なる。

(文責:北村)

【参照】
経済産業省ウェブサイト
総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会・電気事業分科会買取制度小委員会(第3回)-配付資料

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第47号 2009年9月2日)

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