商品の包装を考える:ネット重量(Net Weight)とグロス重量(Gross Weight)の違い

皆さんは物流でよく耳にする、ネット重量(Net Weight)とグロス重量(Gross Weight)の違いをご存知でしょうか。

物流に関するコストはグロス重量をもとに計算される

ネット重量とは包装などを含まない商品自体の重さを指し、グロス重量とは商品が包装された状態での総重量を指します。

物流に関するコストはグロス重量をもとに計算されるので、コストを抑えるという点では過剰な包装はせず、グロス重量とネット重量の差を小さくすることが望ましいと言えます。

また、物流コストを考える際には包装された状態の商品の容積も重要になってきます。

容積勝ちとは

トラックなどの輸送手段には重量だけでなく容積にも制限がありますから、商品の過剰な包装で無駄に容積が大きくなれば、制限重量には至っていないが、スペースが無くさらに積むことが出来ない、いわゆる『容積勝ち(注1)』が起こる可能性が大きくなります

このようなことも踏まえて、物流では容積重量(Volume Weight)という梱包された商品の容積から換算される重量と実際の重量と比べて、値が大きい方で物流コストを算出します。

例えば航空運賃の場合、国際航空運送協会(International Air Transport Association:IATA)の定めた以下の数式より容積重量を算出し、その容積重量と実際の重量を比べて、値の大きい方が運賃重量として適用されます。

容積重量=縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)÷6,000(cm3/kg)
(端数は0.5kg単位で切り上げ)

容積重量の算出方法からわかるように、容積が大きくなれば輸送運賃が上がる可能性があります。そのため重量と同様に容積も商品自体と商品が梱包された状態の差が小さいことが望ましいです。(商品自体の重量が軽く、容積が大きければ仕方がないですが)

包装された状態の商品のサイズは物流コストに影響を与えます。そのため物流を考慮し、例えばトラックの内寸に合わせて商品のサイズを考え、商品開発にあたる企業もおられます。そうした商品がほとんど無駄なく荷台に納まっているのを見ると関心を覚えます。

今一度、物流における重量と容積に注視して商品の梱包を見直してはいかがでしょうか。

(文責:山室 龍志郎)

 (注1)「容積勝ち」についての詳細はこちらをご参照ください。

【参考文献】
「ロジスティクス・オペレーション3級(ビジネス・キャリア検定試験標準テキスト)」
監修:苦瀬 博仁・坂 直登(社会保険研究所、2011年5月)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第292号 2015年8月26日)

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