コロナ禍でも業績を伸ばす物流企業の現場から学んだこと

コロナ禍で最もマイナスの影響を受けるのが運輸・倉庫業界だが

コロナウィルスの影響による逆風に負けず業績を伸ばす会社とは、どんな特徴があるのでしょうか。また、今後コロナウィルスは企業にどれほどのマイナス影響を与えるのでしょうか。

帝国データバンクによると、コロナウィルスにより業績にマイナスの影響があると見込んでいる企業は82.7%にものぼります。さらに、マイナスの影響があると見込む企業を業界別でみると、「運輸・倉庫」が87.5%でトップとなっており、かなり厳しい見方をしています。

しかし、そんな逆境の中、仕事が増え、業績を伸ばしている物流企業もあります。今回はそんな企業の現場をレポートします。

今回ご紹介するのは株式会社柳川合同(以降柳川合同)のエルゴヒューマンテクニカルセンターです。柳川合同は主に家具・家電・一般物輸送を事業としており、今回は「家具輸送」の領域に注目したいと思います。

柳川合同の杉戸営業所では、高機能で有名なエルゴヒューマンのオフィスチェアの輸送業務を担っています。また輸送業務に留まらず、カスタマーセンター業務や修理受付およびパーツの販売も行っています。

コロナウィルスの影響により、仕事でテレワークを採用する企業が増加し、テレワーク用の机や椅子、ヘッドセット等の需要が増えました。それに伴い、過去に購入した椅子の修理やメンテナンスの依頼も増加しており、柳川合同の収益の伸長に貢献しています。

修理は原則的に杉戸営業所で行っていますが、訪問修理サービスも行っています。修理費用が高額になる場合には、柳川合同が在庫を持つアウトレット品をお客様に提案することもあります。新品とそん色ない品質のオフィスチェアをお得に購入することができるため、顧客からも非常に好評とのことでした。

また、過去の修理依頼があった顧客宛にアウトレット品に関する最新情報をメルマガで配信するなど、プロモーション活動にも熱心に取り組んでいます。

今後はさらにテレワークが世間に浸透すると考えられ、それに伴いオフィスチェアを購入する顧客も増加することが予想されます。購入者が増えれば顧客情報も増え、より多くの顧客とメール等による継続的な接点を持てるようになります。また購入者が増えれば修理の依頼も増えるため、修理サービスによる売上が発生するという良い好循環が生まれるのではないでしょうか。

柳川合同はさらにアウトレット品の販売に力を入れる予定で商品のラインナップを増やす構想もあるようです。また、アウトレット品専用の販売サイトの作成も検討しており、顧客にとってより利便性の高いサービスの構築を目指しているようでした。

柳川合同はコロナウィルスによる逆風に負けず、自社の強みと世間の需要を上手く一致させ、業績を伸ばしている好例ではないでしょうか。各企業がコロナウィルスによる悪影響に立ち向かっていますが、未だ収束の兆しはみえていません。そんな中で私は物流コンサルタントとして、この危機的状況を打破する提案ができるよう日々精進したいと考えています。

(文責:三木 祥裕)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第439号 2020年9月30日)